薬理

抗菌薬、抗真菌薬の覚え方、まとめ

抗菌薬で、βラクタム系(ペニシリン系、セフェム系)やテトラサイクリン系などは名前がわかりやすいので、よいのですが、アミノグリコシド系やマクロライド系はわかりずらいですよね。今回は抗菌薬、抗真菌薬まわりのゴロを紹介します。

アミノグリコシド系のゴロ
「阿見のストーカー=源太、カナちゃんに振られ、難聴に」

  • アミノグリコシド系
  • ストレプトマイシン
  • ゲンタマイシン
  • カナマイシン
  • フラジオマイシン
  • 第八脳神経障害

※ニューキノロン系とともに濃度依存性の抗菌薬です
※バンコマイシンも難聴おこす。
※フロセミドとの併用で、第八脳神経障害=難聴などが増悪する
※βラクタム系はアミノグリコシド系と併用で相乗効果(^o^)めっちゃ効くようになる
※麻酔薬や筋弛緩薬と併用で神経筋ブロック=呼吸筋麻痺

マクロライド系
「まっ黒くろの襟の女子、味がある」

  • マクロライド系
  • クラリスロマイシン(ピロリ菌に有効)
  • エリスロマイシン 
  • ジョサマイシン 
  • アジスロマイシン

※副作用の少ないことで有名です。
※シトクロムP450の酵素阻害を起こします。

クロラムフェニコールの副作用のゴロ
「グレた不良の再生には苦労する」

  • グレイ症候群(新生児で赤血球が作れなくなり灰色になる)
  • 再生不良性貧血 
  • クロラムフェニコール

抗真菌薬のゴロ
「ミカのアナにトリコ。フルチンでナゾール」

  •  ミカファンギン(βグルカン=細胞壁、合成阻害)
  •  アムホテリシンB(ポリエン系、細胞膜を破壊) 
  • ナイスタチン(ポリエン系、細胞膜を破壊) 
  • トリコマイシン(ポリエン系、細胞膜を破壊) 
  • フルシトシン(DNA合成阻害) 
  • アゾール系=ミコナゾール、フルコナゾール(エルゴステロール=細胞膜、合成阻害)

※真菌のコレステロール=エルゴステロール

 

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分布における薬物相互作用

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前回が血漿タンパクについての話だったので、それに関連して、今回は血漿タンパクが関わる薬物相互作用についてです。
薬物相互作用は、薬物動態のそれぞれの過程、つまり、「吸収」「分布」「代謝」「排出」で分けて考えるとわかりやすいです。

今回はその内の「分布」に関するもの。
血中のクロネコヤマトである、血漿タンパク=主にアルブミンが、加齢に伴い少なくなっていきます。荷物=薬物を同じ量だけ飲んでいると、アルブミンをめぐって、競合が発生し、アルブミンと結合できなくなった薬は、そのまま効果を発揮してしまうので、単体で飲んだ場合よりもすごく効きすぎてしまって困ったことが起きてしまします。

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薬物相互作用に関わる血漿タンパク

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アルブミンはクロネコヤマト宅急便

薬物相互作用の問題です。薬は血中を移動する時、ほぼほぼ個人では移動できません。
血漿中のタンパク質を乗り物として使って移動します。「アルブミン」はいわば、
血液の中のクロネコヤマトなのです。
アルブミン自体は塩基性で、ワルファリンなど酸性のお薬と結合し、運びます。
また、酸性の乗り物の代表に「α-1酸性糖タンパク質」があります。
これは、リドカインなど塩基性の薬物と結合し、これらを運びます。
酸性薬物の乗り物は、「アルブミン=塩基性」。
塩基性薬物の乗り物は「α1酸性糖タンパク質=酸性」です。

ちなみにアルブミンの正常値は4-5g/dlというのも覚えるべき項目です。