全部床義歯(フルデンチャー)、部分床義歯(パーシャルデンチャー)のお薦めの参考書

歯科医師国家試験的な、全部床義歯、有床義歯のお薦めの参考書を紹介します。どちらの領域も実習・臨床実習で実際に体験できるものが限られているので、やはり写真やわかりやすいイラストが、大きな助けとなります。

有床の4つの教科書はすごく大事!

皆さんは教科書としておそらく、医歯薬出版社の以下の4冊をデフォルト買わされていると思います。いずれも必須の書です。国家試験は、どの教科もそうですが、医歯薬出版社の本に載っていることは全てチェックしましょう、という約束事があります。全国の教授が作成に関与しているNo.1の書籍ですから、教科書に指定されていることも多く、とにかく出題の標準・基準となるテキストです。揃っていない人はすぐに購入しましょう。わからないことなどはまずはこれらを紐解くべきです。

 

4聖書に加えて以下の本はまじでわかりやすいです

ただし、これらの書籍だけでは説明が足りないところがあります。特に、咬合器の操作についての詳細、オルタードキャストテクニック、チェックバイトを使用した再付着、重合の手技、義歯の経年変化、推進減少などの為害作用などなど、細かい所が聞かれるのに文章だけで説明されていて、うまくイメージできない箇所が多いです。むしろ難しくするために、そういった箇所を狙って問題作っているようにも感じられます。

今回紹介する書籍は、そういった部分を補ってくれるものです。ただあくまで上記の4つの教科書とあわせて使うものです。私は有床勉強するときにはうろ覚えの箇所など、4,5冊本を開いて一番わかり易い画像を探したり、解説を読んでいます。他の教科のように文章から実際の現象をイメージしなくてはいけない量が大きいので、本当に面倒ですがこのやり方が最も効率的に理解を進めていけることに気づきました。

【全部床義歯】「図説無歯顎補綴学―理論から装着後の問題解決まで」  ★★★

麻布の実践で、解説のところに図が書いてあることがありますが、殆どはこの本からの引用です。麻布のは白黒しかなく図は小さいですが、書籍中ではカラーで、体系的な説明も載っているので非常にわかりやすいです。どんなふうにわかりやすいか、以下に例をとって説明しましょう。

ハノーの咬合の5要素と、その調整のための式が図でわかりやすい

ハノーの咬合の5要素、イメージが掴みづらく、つい丸暗記してしまいがちです。でもこの本の図をみれば結構イメージできるようになります。5要素を調和させるための式は、、、

顆路傾斜 ✕ 切歯路傾斜角 / 咬頭傾斜角 ✕ 咬合平面の傾斜 ✕ 調節湾曲の深さ

でした。これをできるだけ一定にするように、あちらが大きければこちらを小さくする、みたいにやっていきます。下の図を見てみましょう。

顆路傾斜と切歯路傾斜によって、前方運動の角度が規定され、それのクリステン現象を補うために「人工歯の咬頭傾斜角」だったり、「咬合平面の傾斜」だったりで、なんとか調整つけていく、みたいな感覚が理解できませんか?分母の3要素と分子の2要素が、そんな風にわけれるんだ、とも理解できるし、現象として理解できるのでなんだか気持ちがよいです。

顎堤の吸収具合と咬頭傾斜の調節

こちらも下の図をみてください。顎堤がなくなっていくと、咬頭傾斜を小さくしなければなのですが、それが視覚的にわかりやすく示されています。要は、咬頭傾斜がきついと、推進現象がより強く起きるので、それを支えるための顎堤の高さが欲しい、という感じなんですが、こうやって図に示されているとわかりやすいですよねー。ああスッキリ。

推進現象がどうやって粘膜にダメージを与えていくか

上の話とつながって、推進現象がどう悪さをするかの図も、超わかりやすく描かれています。臨床実地問題で、床縁が痛いという主訴で、みたいな問題わんさかあるじゃないですか、そのたびにこういった現象をイメージしておくと、咬合調整だったり床の調整だったり、間違わずに判断できるようになりますよね。国試的には貴重なイラストだと思います。

リンガライズドオクルージョンの詳細写真

リンガライズドオクルージョン、上顎の舌側咬頭だけを下顎の中心窩にいれていく、みたいな説明だけでぼんやりとしたイメージしかなったですが、結構詳細に写真と説明があって、かなり理解深まりました。本当におすすめです。

失敗例のイラスト

失敗例を気合い入れて解説してくれるのもこの本の素晴らしい所。どうミスったらどんな風に変なことが起こるのか、これでもかっていう感じで解説してくれています。

アンチモンソンカーブなんてイメージないよ、という方に

「モンソンカーブの逆がアンチモンソンカーブです」みたいなバカみたいだなーって思って4年の最初に解説きくんですが、実際に長年の義歯使用でどの咬頭がけずれてどのようにアンチモンソンカーブができていくのか、懇切丁寧にイラストと文章で解説してくれています。さりげないところだけど、本当にわかるってこういうことの積み重ねだと思うんですよね。。。

ということで、この本はマストバイです!

【全部床義歯】「図説無歯顎補綴学―理論から装着後の問題解決まで」学建書院  ★★★

【部分床義歯】「スタンダード部分床義歯補綴学」学建書院   ★★★

そしてなんと同じ出版社から部分症義歯ver.も発売されています。名前がガラッとかわってしまってわかりづらいのですが、下の本も、学建書院の本です。全部床のものと同様にわかりやすいイラストと泣ける解説で本当に脇をかためてくれる一冊です。特に、重合の説明とか、「アメリカ、フランス、折衷法」の違いについて、これ以上わかりやすくはかけないんじゃないかなというぐらい、よいかんじです。是非チェックしてみて下さい。その他のところも図解力が半端ないです。イメージがつかみやすいです。

【有床全般】「有床義歯臨床ヒント集ーーカラーアトラスハンドブック 」クインテッセンス出版   ★★☆

より臨床的な内容ですがこのシリーズもおすすめです。医歯薬出版の「コンプリートデンチャーテクニック」や「パーシャル〜」は教科書的でほぼラボの写真ですが、この本はチェアサイドでやる直接法だったり応急処置みたいなところでぐっとイメージが付くようなっています。パラパラと合間にみるだけでもへ~ってうなずけるところが多く、よいです。特に義歯の修理だったり、適合試験とその結果の見方→処置、みたいなところは生々してくて、臨床実地問題に対応しやすくなるな、という印象でした。

 

それでもやっぱり4冊の教科書はよく見ておきましょう。

忘れては行けないのは、やはり、医歯薬出版の4聖書、をあわせて使用するということです。教科書も他教科に比べるとかなり写真多めでイラストも多いです。まずは、それらを見て、うまくイメージできないときなどに、上記の本にあたってみるというのがよいでしょう。補綴系は本当に臨床的なことだったり、技工的なことだったりイメージを頭に描けるかどうかが最も重要なポイントになってくると思います。面倒ですが、今回あげた書籍などを脇に携えて画像的に理解していくことで効率的に国家試験の問題に対応していけるようになっていくんだと思います。

 

YOUTUBEも活用しましょう

例えば、下の動画は、フルデンチャーの技工過程をざざっと簡単にみれる動画です。わからない手技があればyoutubeでとりあえず探してみると意外とみれることがあるので、映像はかなりイメージつけるのによいです。

全部床義歯の技工、全体的な流れ

https://www.youtube.com/watch?v=DQi8s8AkDh8

 

今回は以上です。

 

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コメント

  1. しー より:

    有床義歯のオススメ記事ありがとうございます!
    さっそく購入し、問題を解きながら読み進めています。
    かなり理解がしやすくなり、少し補綴が好きになれそうです!(^ ^)ありがとうございます。

    もしもお時間あれば麻酔科や歯周もお願いしたいです(*_*)リクエストばかりですみません

    1. takao11sep より:

      コメントありがとうございますー!お役に立てて何よりです。^_^
      麻酔と歯周、ですね、承知しましたー。クラブリもまだかけてないので、順次アップしていきますー
      少々お待ち下さい。よろしくお願いしますー(^^)

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