根充後の根尖部の微妙な変化

まずはこの問題を解いて下さい。

97B-48
根管充填後の治癒で正しいのはどれか。3つ選べ。

  1. セメント質の増生
  2. マラッセ上皮遺残の増殖
  3. シャーピー線維の減少
  4. 線維性結合組織による瘢痕化
  5. 溢出根管充填材の線維性被包化

正答 1,4,5

 

4,5は問題なく選べると思います。気になるのは、1.の「セメント質の増生」がよくわからず、気持ちよく選べません。今回はこれについてしっかりとイメージつけていきましょう。

つまり、根管充填が成功すると、根尖孔のところにもセメント質ができてしまうということです。根がまるっとセメント質で覆われてしまう形になります。生活歯では、血管やら神経やらが通るためにそこにはセメント質がなかったけど、根管充填するとその孔分のセメント質が増生しますよ、という、超細かい世界の話です。

ちなみにこれのことを「骨性瘢痕治癒」と呼びます。病理の疾患名とも深く関係する言葉の使い方なので「骨」と「セメント」の言葉についてきちんと理解しましょう。

109回でも問われています。

109A-75
骨性瘢痕治癒が生じるのはどれか。2つ選べ。

  1. 間接覆髄
  2. 直接覆髄
  3. 生活断髄
  4. 直接抜髄
  5. 感染根管治療

正答 4,5

 

骨とセメント質はすごーく似ているので、組織像的にも見分けがつかなくなってきたりします。
歯根部に線維化→硬組織ができてしまう、「骨性異形成症」というのがありますが、これも昔は「セメント質骨性異形成症」と呼んでいましたが、WHOが「セメント質?いや、もう骨と見分けつかないから、骨でまとめるわ」っていって骨性だけと書かれてしまって、歯科的には非常に覚えづらい病名になってしまっています。(「骨形成線維腫」も旧名「セメント質骨形成線維腫」です。)この問題も、「セメント質骨性瘢痕治癒」って問われていたらもっと正答率があがったはずです。国家試験では、そういう嫌なところをついて問題を作ってきますよね。

今回は、以上です。

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