基底膜の組成をイメージで簡単に覚える

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生化学で基底膜の成分をしっかりおぼえなくちゃいけないですけど、ややこしいですよね。
今回はそれを図とイメージで一発で覚える方法をお教えします。
まずはこの問題から。

 

102B-27

細胞外マトリックス分子で正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. ピアルロン酸は高度に硫酸化されている。
  2. グリコサミノグリカンは分枝状糖鎖である。
  3. アグリカンは軟骨プロテオグリカンである。
  4. パールカンは基底膜プロテオグリカンである。
  5. デコリンは グリコサミノグリカン鎖を2本もつ。

 

正答 3,4

 

 

1.間違い。ヒアルロン酸は名前に硫酸とかついていないので、ヘパラン硫酸とかコンドロイチン硫酸とかとくらべると硫酸化されていません。ヒアルロン酸はグルコロンさんとNアセチルグルコサミンの繰り返しです。グリコサミノグリカン(GAG)なのに、プロテオグリカンみたいに幅をきかせる特殊なGAGです。

2.GAGは直鎖状なので✕

3.アグリカンは a ggrecan と英語の”a”がつくグリカンなぐらい超メジャーなやつです。軟骨を中心に、大脳、大動脈、腱組織にいます。◯

5.✕です。デコリンは1本のGAG。ビグリカンが2本のGAG。

パールカンが、プロテオグリカンなのか接着性蛋白なのかいつも忘れてしまいます。特に、ラミニンとごっちゃになる。基底膜の組成、構造を復習しましょう。

 

基底膜の組成と構造について

基底膜の組成

  • 4型コラーゲン
  • ラミニン=接着性タンパク質
  • エンタクチン=接着性タンパク質
  • パールカン=グリコサミノグリカン

上記を図に書くと以下のようにかけます。基底膜は、膜なので、平らな構造になります。使われるコラーゲンも線維性結合組織にあるような丈夫なヒモぽいの(Ⅰ型コラーゲン)じゃなく、うまくつながって網状に平らに広がっているもの(Ⅳ型コラーゲン)になります。

本当は違うんですが、覚えやすいような図に少し変えています。

 

パール=真珠が宝石箱に入っている

パールカンは、プロテオグリカンです。電子顕微鏡で見ると本当にパール=真珠が連なったような団子状の形をしています。パールカンは基底膜のⅣ型コラーゲンの格子にはいるように水分保持担当みたいな役で存在しています。これも本当は少し違うんですが、イメージで、宝石箱の格子に入っている真珠、みたいに覚えると覚えやすいのでそうこじつけています

プロテオグリカンの役割は主には水をひきつけておくことです。体の半分以上は水で出来てるじゃないですか?それどのようにもってるかっていうと、グリコサミノグリカンが硫酸とかマイナスをたくさん携えて、水分子をくっつけてゼリー状の水のような感じで持っています。

 

ラミニンは「ラミネート接着」で接着性タンパク質

ラミネート加工ってあるじゃないですか?会員証とかを固めの透明なフィルムでくっつけるやつ。あれをイメージして下さい。平面にならんだⅣ型コラーゲンやパールカンをラミネートで接着している様子です。

本当は違うんです。本当はラミニンの形は違うんですが、覚えやすいように上の図のように整理しています。この方が覚えやすいですよね?

ラミニンは接着性タンパク質ですからRGD配列をもち、細胞のじゅようたいであるインテグリンと接合し、基底細胞とくっついています。他にはエンタクチンという、接着性タンパク質もありますが、まずはラミニンです。エンタクちんはとりあえず、円状のラミネートもあると覚えておきましょう。

 

プロテオグリカンとGAGのペア

  • アグリカン ー コンドロイチン6硫酸
  • パールカン ー ヘパラン硫酸

これも覚えなくちゃですよね。プロテオグリカンとGAGのペア。とりあえずメジャーどころ上2つを覚えましょう。以下のゴロをつかいましょう。

アグリカンは、カ行「カキクケ」コンドロイチン硫酸

パールカンは、ハ行「ハヒフヘ」ヘパラン硫酸

 

今回は以上です!

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