接着性ブリッジと歯周組織

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今回はこの問題です。

109A-100
製作した補綴装置の写真を別に示す。
前装冠ブリッジと比較した本装置の利点はどれか。2つ選べ

スクリーンショット 2016-07-01 5.48.31

a 審美性に優れる
b 適用範囲が広い
c 歯質削除料が少ない
d 動揺した支台歯に適する
e 歯周組織への影響が少ない。

正答 c,e

 

接着性ブリッジに関する問題が最近の国家試験ですごく増えています。舌側にしか形成しないので、審美性がよい!に引っかかって、間違ってしまいました。たしかに、接合部分、金属が見えていて、それほど審美性がよいとは言えません。
審美性以上に、接着性ブリッジは歯周組織への悪影響が少ないことが利点としてあげられます。でも、接着性ブリッジと歯周組織はどんなふうにつながっているか説明できるでしょうか。

 

 

接着性ブリッジのマージン

接着性ブリッジとマージン

接着性ブリッジとマージン

接着性ブリッジのマージン位置はどこに設定するでしょうか。
歯肉縁上です。
それにはいくつか理由があります。
上図のように、接着性ブリッジの支台装置の形成はエナメル質内にとどまります。しかし、金属の強度的に、エナメル質の厚さ分では足りず、咬合力で割れてしまうので、金属を元あったエナメル質よりも厚めに作る必要があります。
これは、オーバーカントゥアーとなり、アンダーカットより下のところに食物が停滞しやすく歯周組織にはあまり良くありません。よって、その害を小さくするためにできるだけ歯肉縁上にマージンを設定することになります。

 

全部金属冠(FMC)や前装冠のマージン

FMCや前装冠のマージンは唇側面にも及ぶため、歯肉縁下に設定することが多いです。特に前装冠なんて、前歯部ですから、歯頸部の中途半端なところにマージンがあると、すごくカッコ悪いです。なんとかマージン位置は歯肉縁下に隠しておきたいですね。
ただ、歯周組織への影響はもちろん、縁下マージンの方が悪いです。

 

 

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