多剤耐性菌の順番、歴史

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多剤耐性菌の機序、よく聞かれますよね。
超有名なMRSA、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)をめぐる耐性獲得の歴史をおいます。

1.普通の黄色ブドウ球菌(ペニシリンを投与するとPBP(=細胞壁作るための酵素)が無効になり、細胞壁が作れない)

2.ペニシリン耐性 黄色ブドウ球菌(菌がペニシリナーゼを産生して、ペニシリンを分解。PBPで壁作れる)

3.メチシリン耐性 黄色ブドウ球菌|MRSA(PBP2’を産生して抗菌薬お手上げ。PBP2”で壁作れる)

4.バンコマイシン耐性 黄色ブドウ球菌(MRSAの特効薬だったバンコマイシンにも耐性菌ができてしまった!!)

現在は、4のバンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌が局所的にでているだけですので、世界的に普及しておらずなんとかなっているらしいです。もし4が一般化した場合、人類はまた次に抗菌薬を見つけ出さなければなりません。そしてそれも濫用により、すぐ耐性菌ができてしまうでしょう。

  • 低世代の抗菌薬を使う(第三世代、第四世代セフェムとか、すぐ出すな!)
  • 狭いスペクトル(選択毒性の高い)抗菌薬を使う
  • 感受性試験の結果に基いて用いる。
  • 初回使用はまず3日。長くとも1週間以内にとどめる。

現実的には上記を完全に守るのは、難しいんですが、一応理想的な使い方は知っておく必要があります。

この他に有名な多剤耐性菌としては緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)がいます。
これは、薬物を菌体外に排出するトランスポーターをつくることで、抗菌薬に対する耐性をつけます

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